〇「かみこあにプロジェクト」の取り組み
全国で最も人口減少率が大きい秋田県。
上小阿仁村は山間地に位置し、総面積256.72k㎡の約92.7%が森林原野で占められ、秋田杉の主産地として木材業が盛んであった地域です。村の人口は昭和35年の6,972人をピークに減少が続き、県内でもっとも高齢化率の進んだ地域です。山から湧き出る清水で育った天然山菜などを食しながらの生活習慣が長寿の源となっています。
秋田県一の人口減少率で、一番高齢化が進んだ村が、多様な世代の人々と交流人口の増加を図りながら、日本全国の市町村で喫緊の課題となっている少子化、高齢化、人口減少に立ち向かい、将来の影響力を最小限にする取り組みとして「かみこあにプロジェクト」を進めていきます。
上小阿仁村は、知名度が低く、公共交通アクセスも良いとは言えない地域ですが、2012年から4年間続けた「KAMIKOANIプロジェクト秋田」の活動(芸術の力で地域に残る風土や文化に磨きをかけ、新しい感性よって価値を付け加えていく振興手段)により、若者の出入りが増加しています。交通の不便さや移動にかかる時間より、ここで体験したアートの持つ美しさと多面性、メッセージ性が限界集落と言われた地域に、多くの人の足を向けさせました。
〇そして未来へ「KamikoaniCreation」(上小阿仁村地方創生)
上小阿仁村で生まれた新しい価値観に惹かれ、また訪れたい意欲が芽生えつつあることから、住民組織による実行委員会が立ち上がりました。
この実行委員会が進める「かみこあにプロジェクト」は、他地方の村おこし事業と差別しながら、住民自らが地域活性化の原動力になる取り組みにより、地域に誇りを取り戻し、それぞれの課題解決にとどまらず、交流人口の増加による新しい小規模農村の姿を目指すものです。
新しい感性によって地域に価値を与える取り組みは、人それぞれ見え方が違い、解釈も異なることから、多くの人が参加するきっかけになっています。KAMIプロ・リスタ実行委員会が考えるインクールシブデザインによって、すべての人に参画する機会を与え、地域、育ち、考え方が異なる存在を取り込み、求められる時代の流れなど情報収集しながら今後の姿をデザインしていきます。
※「KAMIプロ・リスタ」とは、KAMIKOANIプロジェクト秋田を契機としたアート関連事業の新たなスタート(ReStart)を意味する造語。