令和7年7月
命を守る 防災ダムや健全な山林
一昨年(令和5年)の7月15日、私は、東京におりました。
豪雨対策のため、東京での予定を全部取りやめて、羽田空港に向かいました。
やっとのことで、飛行機に乗れることにはなりましたが「着陸できない場合は、羽田空港に引き返します」のアナウンスでした。
大館能代空港の上空を何回も旋回しているのがわかりました。
2回目のチャレンジでやっと着陸しました。
大平山周辺に降っている豪雨は、秋田市側と上小阿仁村に流れました。
秋田市内は、大洪水で大災害となりました。
村は、萩形ダムが下流への放流を毎秒50トンで抑えて、持ちこたえておりました。
しかし、ダムに入り込む水が毎秒300トンを超えはじめ、ダムが満水になるということで、緊急放流をする旨の連絡が入りました。
緊急放流の前に小阿仁川沿いのみなさんには、高台にある友生園や小中学校などに緊急避難をしていただきました。
ダムの緊急放流水は、1から2時間くらいで、集落に届き、小阿仁川は、大洪水になることが想定されました。
住宅が床上床下浸水し、国道が冠水し、田んぼなどが大被害を受けました。
どうすることもできずに、人的被害のないことを、そして、早く洪水が治まってくれることを祈り、災害対策本部となった小中学校で、たくさんの人たちとひたすら、夜の明けるのを待ちました。
三年連続の豪雨災害は、地球温暖化による異常気象で、これからも起こることが心配されます。
災害予防事業を指導していただき、国県に要望しております。
村は、二酸化炭素の削減と土砂崩落や流木の防止などのための健全な山林整備と洪水調整の効果の大きい防災ダムを萩形ダムの下流に整備をすることを進めております。
これによって、きれいな飲料水や農業用水を安定的に確保し、合わせて水力発電による電気を供給するものです。
災害の防止をすることはもちろんですが、電気によって企業の支援や雇用拡大で定住人口の増加を図ってまいります。
私たちは、命を守るため、万が一の災害に備え、お薬や食糧、衣類などを準備して、すぐに避難できるようにしておくことが大切だと思っております。

萩形ダム
令和7年6月
雨の日の運動会
「人は、人の中で人になる」
学校のホールで、この言葉が子どもたちを見つめていました。
窓の外は雨が、降り続いています。
子どもたちが、一生懸命に練習をした運動会が、体育館に急きょ変更になりました。
むかし、同様のことがあったようです。
その時は、中学生だけの運動会なので、3年生が、先生に直談判して、外での運動会をお願いしたようです。
今は、小学生との合同開催ということで、少し無理があります。
予定された種目は、ほとんどが変更になりました。
瞬時に代わりの種目を考えた先生もすごいのですが、それを一生懸命にやった子供達もすごい。
校長先生のあいさつでの子供たちへのエールは、不安にしている子どもや保護者たちを一瞬にして元気にしました。
子どもたちは、自分のための運動会でもあるかもしれませんが、自分以外の人たちのために、真剣に取り組んでいることが、伝わってきました。
そして、今日、初めての種目なのに、上級生が小さい子どもたちの目線に合わせて、優しく気づかう心と行動は、どこの学校にも誇れる子どもたちです。
こころの豊かな大統領
ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が89歳で亡くなられたとの報道がありました。
この大統領のことを村長日誌抄の第2回目の2016年に書かせていただきました。
その時のタイトルは、「世界で最も貧しい大統領」でした。
大統領なのに質素な生活をして、こころは豊かに、世界を見つめていたからです。
2021年の国連での「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」とのスピーチが世界中の感動を呼んだ人です。
このスピーチの会場が「持続可能な開発会議」であったことからも聴衆の拍手は鳴りやむことはなかったと言います。
大統領からは「幸福とは、自分の内なるものが豊かな人が得られるもの」だと教えられます。
村も世界に貢献できる人や自然エネルギーの活用によって、人にやさしい住みやすい地球にするために、微力ながら協力してまいります。

体育祭の様子
令和7年5月
筋トレ
筋力トレーニングを毎日やることが筋力を向上させます。
トレーニングを一日休むと元に戻すために3日かかると学生の頃、よく聞かされました。
スポーツ選手は、毎日、同じことを繰り返して、基礎体力を維持しながら、技術的なものを鍛錬していきます。
筋力ではありませんが、同じようなことを日曜日の正午からのテレビ番組「プレバト」で小気味よい指導をしている夏井いつきさんも言っています。
俳句が上手になるには、日々、俳句の筋力を付けなさいと言っています。
俳句の筋力、「俳筋力」とは、日常生活の中で俳句の材料を見つけて発想した単語を繋げながらたどっていくことのようです。
人の気づかないものを発見することで、「才能あり」「凡人」「才能なし」に分かれるようです。
この仕訳もたくさん作ることで、才能ありになるようです。
俳筋力は、日々の新発見と数多く作ることのようです。
海の恋人は?
「森は、海の恋人」と言って、山に木を植え続けた畠山重篤(しげあつ)さんが、81歳で亡くなられたとのことです。
宮城県でカキの養殖をする漁師が、カキの養分をつくっている山を育てたのです。
畠山さんは、「漁師が山に木を植えることは、人の心に木を植えること」とも言っていたそうです。
ドイツのマルティンルターは、「たとえ世界が明日滅びることを知っていても、私は今日、リンゴの木を植える」と言ったそうです。
明日、世界が滅びるのであれば、今日植えたリンゴの木からはリンゴを収穫できないのですから意味がないことになります。
しかし、リンゴを収穫できるかどうかという損得ではなく、リンゴを植えるという生産的な行為をすることが、心に喜びを与えてくれると言っています。
このことを日本機械工業株式会社創業者、伊藤芳之助さんの「芳魂」の中にも書かれています。
村は、金婚式のお祝いにコハゼの苗木を贈呈させていただいております。
お二人で育てていただければ、村の将来も明るいものになると信じております。

こはぜ
令和7年4月
春の火災予防と交通安全
空気が乾燥して、火災の起きやすい季節となりました。
先日は、岩手県の大船渡市などで山火事による大災害がありました。
そんな中で、消防団や消防分署の皆さんには、災害に備えて、消防ポンプや消防器具などの点検と合わせて、一斉放水訓練を毎年、行っていただいております。
消防団員には、火災の対応だけでなく、毎年起きている豪雨災害やいつ起きるかわからない有事の際の防災対応にボランテイア精神の下、命がけで村民を守っていただいております。
また、交通安全対策については、交通安全母の会や交通指導隊、交通安全協会などの皆さんの活動によって、村民を、交通事故から守っていただいております。
雪消えとともに外出の機会も増えることから、交通事故の増加も心配されます。
早朝から、寒い中を街頭から交通安全を歩行者やドライバーに啓もうしていただいている皆さんに頭が下がります。
少子高齢化の進む中で、交通弱者が事故に遭わないように、みんなで対応していきましょう。
パリ協定
むかし、アメリカがクシャミをすると日本は風邪をひくといわれました。
関税の引き上げにはじまり、パリ協定などからの離脱やウクライナなどの対応は、大国アメリカが、経済一辺倒に走り、奉仕の精神などの包容力が欠乏した小国になったのではないかと心配しております。
大きな器の大国で、世界をリードしてほしいものです。
特にパリ協定離脱は、脱炭素化に向けて、世界各国が辛いながらも足並みをそろえて来たのに残念です。
二酸化炭素による地球温暖化で起きているとされる異常気象をこれから止められるでしょうか。
毎年起きている異常気象による災害を止められなくなるのではないでしょうか。
村は、山林整備やダムの整備、水力発電などの循環型の産業によって、災害の防止で村民の命と財産を守っていきます。
村の森林資源や農業資源、水資源を利活用することで、地球のため、世界のために、脱炭素化に微力ながら、貢献させていただくものです。

一斉放水訓練の様子