令和8年3月上小阿仁村議会定例会の開会にあたり、村政運営に関する基本的な考え方を議員並びに村民の皆様に申し上げます。
高市早苗内閣総理大臣は、基本方針の中で「日本をもっと安心で、もっと暮らしやすい国にすること」を掲げております。
激甚化する自然災害の被害を軽減するため、大雨・地震などに備えたインフラ整備や河川・ダム・堤防の強化を進めるとしています。
また、地方の暮らしを大切にする観点から、地域産業の育成などを明確に打ち出しています。
昨年4月に就任した鈴木健太秋田県知事は、秋田県の人口減少は、自然減だけでなく、社会減も大きく、社会動態の改善こそが秋田再生のカギであると述べています。
出生数の改善だけでなく、転出を減らし、転入を増やすことを県の最重要課題の一つと位置付けています。
村は、国の基本方針や知事の考え方を尊重しつつ、人口減少の緩和と災害防止事業を推進するため、総合計画に基づき施策を進めてまいります。
人口減少の緩和については、産業振興に加え県からも高い評価を受けた居住施設の整備を通じて、県外からの移住促進や高齢者を含む誰でもが入居しやすい環境づくりを進めてまいります。
また、4年連続で発生した豪雨災害に対応しなければ、村民の苦痛を取り除くことはできません。
防災効果の高い河川改修や洪水を防ぐ防災ダム、住家を守る砂防ダム、山を守る治山ダム、そして、山林整備による土砂流出の防止を進めていきます。
これらの整備によって、カーボンニュートラルの実現やハイブリッドダムによる水力発電が可能となり、洪水から村民の命と財産を守るとともに、安定的に安全な飲料水や農業用水、電力を供給することができます。
災害時には、食糧・水・電気のない生活に大きな困難が生じました。
ごはんが食べられない、お風呂に入れない、トイレが使えない、テレビが見られない、冷暖房が使えないなど、村民のみなさんに不便を強いてしまいました。
今後、このような状況を二度と村民に経験させるわけにはいきません。
国もまた、防災事業による国民の安心・安全の確保に向けて動き出しています。
約60年前の村は、萩形ダムや山林関連事業、各種産業によって、たいへん賑わっていました。
再び、賑わいを取り戻すため、居住環境整備や村にあるものを利活用して、新たな産業の創出を進めてまいります。
これらは、村の総合計画である「過疎地域活性化促進計画」に基づき事業展開し、子どもを育てやすい環境づくりにつなげていきます。

萩形ダム下流
総合計画の三本の柱は次のとおりです。
第1番目は、村民の健康です。
健康で長生きしていただくことが第一です。
そのため、病気や要介護状態にならないよう予防事業に力を入れます。
また、すでに病気や要介護となっている方には、治療やリハビリを支援します。
さらに、低所得世帯への支援も重要です。
限られた収入の中から税金や国民健康保険税、介護保険料などを負担していただいています。
残った収入で衣類・食料品・光熱費などを賄っている現状を踏まえ、物価高騰に対応した生活支援に力を注いでまいります。

物価高騰対策生活応援商品券
第2番目は、雇用の拡大です。
防災ダムや山林整備、水力発電による自然エネルギーへの転換など、村に眠る豊富な資源を活かし、既存事業の見直しや新規事業の創出によって産業を興してまいります。
民間事業者には大いに利益を上げていただき、まず、従業員の賃金を引き上げ、社会貢献を果たしていただくことで、利益が再び事業者に還元されると考えています。
もどってきた利益を設備投資に活用することで、村の産業経済はより良好なものになると信じています。
村は、民間でできることは民間にまかせ、事業検証しながら再挑戦する商工業を側面から支援してまいります。
第3番目は、教育の充実です。
子どもは、村の宝です。
村は、先人の教えを継承し「教育立村」を掲げてまいりました。
子どもは、保護者だけでなく、地域住民が一体となって育てるものです。
かつて村民が生活に苦しんでいた時代、村は、木を切り学校を建てました。
その際、他市町村から「上小阿仁村は教育を大切にする村だ」と称されたと聞いています。
村の自慢は、子どもたちです。
少数精鋭で他地域に挑戦していきます。
そのため、子育てや教育環境を他地域では、享受できない最高のものにしていきます。
また、学校教育だけでなく、社会教育、文化・スポーツ活動にいたるまで、だれでもが公平にやりたいことに挑戦できる環境整備を進めます。

稲刈り体験
この三本の柱を基本に、持続可能な村をつくり、自然にやさしい、人間にやさしい農業や森林整備、社会教育活動、健康づくり、人づくりに力を入れてまいります。
事業推進においては、知識がなければ、知識のある人に教えを請い、できる人にお願いすることも大切です。
村は、何もしないでいれば、衰退していきます。
まず、やってみて、うまくいかなければ原因を検証し、見直し、再挑戦することで村は必ず良くなると信じています。
小規模自治体であるからこそ、住民のかゆいところに手の届く、温かい絆で結ばれた本村の強みを最大限に活かし、次世代につながる持続可能な村づくりを進めてまいります。
「人にやさしく、健康で安心して生活できる村」を実現するため、議員並びに村民の皆様のお知恵とお力をお借りしながら進めてまいりますのでよろしくお願い申し上げて、新年度の施政方針といたします。